
レーズンロールパン 牛乳 デミグラスハンバーグ 冬野菜の豆乳スープ フルーツカクテル
私が小学1年生の時。それはちょうど50年前。学校給食の主食と言えば、パンでした。6年間、パン以外の主食は、たぶん1度もありません。あくまでも大阪市内でのお話ですが。
毎日がパンでしたが、レーズンパンは月に1回程度。めずらしくはありませんが、そう頻繁でもない。レーズンパンの時は、少し「わくわく」する。そのような微妙な存在でした。
25年くらい前にこの職業に就いたとき、レーズンパンを嫌う子が多いということを知りました。レーズンをパンから取り除いて食べる子に「何で」と聞くと、「嫌いだから」と答えるのです。「好きだから(後でまとめて食べたい)」という答えを期待していたのですが。そんな経験もあって・・・。
1年生の教室に行きました。「お話」を目的に行くのは久しぶりです。
そっと教室の扉を開き、「失礼します」と小さな声をかけて中に入る。普段は元気な子どもたちが、今は落ち着いた雰囲気で食事中。この雰囲気は絶対壊したくない。
「パンの中に、何かが入っているね」。
「レーズン」、・・・「レーズン」、・・・「干しぶどう」・・・。
「そうだよね。丸いぶどうを干して乾かしたら、しわしわのレーズンになるんだね。ぶどうを干している写真を持ってきたから、順番に見せてあげるね」と言って、端から写真を見せに回る。「こうやって干すと、甘くなるんだよ」、「たくさん干しているね」、「干すと長持ちするんだよ」・・・と、できるだけ静かに声掛けをしながら。レーズンに「できるだけいい印象を持ってほしい」と思って。
次のレーズンパンの日は、いつになるか決まっていませんが・・・。
「わくわく」してくれたらいいな。