
「バシャ!」
池の水面で、一抱えもある黒いものが跳びあがって、目が鋭く光った。
「ウワー!」
家来たちの叫び声がとどろいた。
「あれがきっと主でございましょう。役人様のお話を聞いて怒ったのです」
「ば、馬鹿な、仮に主じゃとて、埋めるのは勘弁してくれと頼むならまだしも、わしをにらむとは何事だ!」
「ひっ捕らえてくれるわ」
「お待ちください」
和尚が両手を広げて立ちはだかる。
「どけどけ、どんなことをしてでもひっ捕らえてこい!」
役人は和尚を払いのけて家来に命令した。家来たちは、役人のけんまくに震え上がって網を探してきたわい。池をさらえること数時間、やっと一匹の大ナマズがかかった。
「よおし、岸へ上げろ」