愛西市立佐屋中学校
 

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2018/03/06

卒業式 式辞

| by 佐屋中学校

式 辞

 中庭の桜のつぼみが膨らみをまし、春の息吹を感じられる今日の佳き日に、愛西市長日永貴章さま及び愛西市教育長平尾理様、市議会議員の皆様をはじめ、多数のご来賓・保護者の皆様のご臨席をいただき、第71回卒業式を挙行できますことは、生徒、職員共々、この上ない喜びであります。ご臨席いただきました皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
 さて、253名の卒業生の皆さん。
 私が君たちと素敵な出会いをしてからはや2年、部活動や立志歩行、修学旅行、学校祭など、折に触れ、そのたびに成長する姿を頼もしく見てきました。
 「頑張って!」「もうすぐ頂上だよファイト」多度山頂まで歩いた立志歩行。少し体力に自信のない子たちと一緒に歩いていた私たちに掛けられた多くの優しい励まし。「おはようございます」朝、校門で挨拶をしていると、毎日笑顔で挨拶してくれた3年生、道路の反対側を通り過ぎながら元気な声であいさつを返してくれた3年生。「先生、今日は窓を拭きます」と一生懸命校長室を掃除してくれた3年生。君たちとこの佐屋中学校で出会えて本当によかったと思っています。
 そんな君たちに私が話をするのも、いよいよ最後になりました。
 佐屋中学校では、先生と生徒、生徒同士の豊かな関係性を構築するため、さまざまな活動を通して、仲間との絆を大切にしてきました。お互いを理解し合う学校づくりの実現に努力してきました。その中心にいたのがあなた方3年生です。
 その中で、とりわけ私の記憶に深く刻まれているのは、部活動で活躍する姿です。それぞれの部活で、3年間の練習で鍛えられた君たちの姿はまぶしく輝いていました。とりわけ、今年の夏の佐屋中生は輝いていました。勝ち進む部が多く、私も西へ東へと応援に駆けつけました。最後の大会とあって後輩の応援にも力が入ります。今でもその声が耳に残っています。結果、水泳・相撲・バスケットボール・柔道は全国大会・東海大会に出場しました。車いすテニスで全国大会に出場した人もいました。また、サッカーは別の大会で県大会で優勝しました。その他の部活動も最高の活躍をしてくれました。
 続いて学校祭、練習から本番当日まで、暑かった夏、そして雨が多かった9月と、厳しい練習条件の中、君たち3年生は、共に手を取り合い、心を一つにしてやれば、ここまでできるのだということを、後輩への指導を通して後輩達に素晴らしい手本として示してくれました。応援合戦・合唱コンクール。まさに「チーム佐屋中」の躍動でした。
 
  さて、卒業生の皆さん、お別れに当たり、これからの皆さんの人生の指針にしていただきたいことをお話しします。
「たいていの人は、挫折・あきらめ・後悔を繰り返す。だから、何度、目標の途中で挫折しても、また、やり直せばよい。前言を翻しながら、人は成長する」AKB48をプロデュースした秋元康さんの言葉です。
 挫折・あきらめ・後悔というと良いイメージがありません。果たしてそうでしょうか。何の目標をもたずに生きる者には、何も起きません。何かをなそうとする者にこそ起こるのが挫折・あきらめ・後悔なのです。これらを人間としての弱さ、ひいては存在価値のなさなどに結びつけてはいけません。目標というものは、何かをなそうとする前に設定するものです。自分の頭の中で仮に思い描くものです。いざとりかかってみるといろいろな状況、「想定外」が出てきます。当然のことなのです。その時、自分には何かをやろうとする気力があることを信じて「また、やり直せばよい」のです。挫折しても意欲・気力までなくしては、自分を目標設定時以下の自分にしてしまいます。「あきらめなければ夢は必ずかなう」などという言葉に縛られてはいけません。「後悔」は「反省」に変えてみましょう。「後悔」は過去に縛られる立ち往生した心だとしたら「反省」は過去に学ぶが立ち止まらない前向きな心なのです。目標の修正や前言の取り消しは問題ありません。自分の成長に障害になることにサヨウナラするのが「生きること」だと思います。
 繰り返します。「何度、目標の途中で挫折しても、また、やり直せばよい。前言を翻しながら、人は成長する」のです。
 
 新しい歴史は、やがて君たちが創りあげていく責務を負っています。この四月からは、それぞれが新しい場所で出発をします。まだまだ学ばなければならないことがたくさんあります。広い視野に立ち、心を広げ、身体を鍛えていかなくてはなりません。
 そして、佐屋中学校の卒業生として、それぞれの夢をめざして、どうか胸を張って一歩ずつ進んでいってください。
 それでは、卒業生の皆さん。君たちの明日からの前途に幸多かれと祈り、悔いの残らない確かな一歩を踏み出してくれることを願いながら、式辞といたします。

  


   平成30年3月6日
                                                        愛西市立佐屋中学校長 湯澤裕幸


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