1時間目に、3年1組で道徳の研究授業がありました。主題は、「正しい行動に必要なものを考えよう」で、「クラス」という一つの社会の中で、自分で自分を律し、他者の気持ちを考えて正しい行動を行おうとする態度を育てるというねらいの授業でした。
『もしも、ぼくがヒーローだったら』という、短いお話の資料だったので、プリントは渡さず小澤先生の範読を聞きました。話をしっかりと聞いて資料の内容を理解しようと真剣な顔つきでした。
こうせいくんは、ゆきちゃんがクラスの友達から、ウサギの名前と同じだとからかわれていたのを見たのに、何もできなかった自分に、家に帰ってからも心の中がもやもやした雲ができた気分。「もしも自分がアニメのヒーローだったらゆきちゃんをまもれるのに」と考えながら眠りにつく。翌朝お父さんにその話をすると、「今のままでは心の中の雲はなくならない。ヒーローにあってこうせいに足りないものはなんだろう。それがわかれば、こうせいもヒーローのような強さを身に付けられるよ」と言われる。鏡の中の自分をじっと見つめ、奥歯をかみしめてたら‥‥なにかわかった気がするこうせいくん。「お父さん、行ってきます」とランドセルを背負ったこうせいくんの後姿は、昨日よりもたくましく見えた。というような内容の資料です。
ヒーローとこうせいくんのちがいは何かを考えるため、『「なにかわかった気がする」とは何がわかったのでしょう?』と聞かれましたが、なかなか難しかったよう。それでも「心が強ければ助けられるかもしれない」「自分の心が弱いから何も言えない」などの心の強さに目を向けられる子がたくさんいました。
「ヒーローでなければ、ゆきちゃんを助けることはできないのでしょうか」という発問には、多くの子が「ヒーローでなくても助けることができる」と答え、そのためには、「自分に自信をもつ」「心を強くすれば、誰にでもきちんと言える」「言葉で注意する」などと書いていました。「力ではなく言葉で」と書いている子も多く、成長を感じました。また、「自分一人では難しいから、仲間を作って言う」という正直な意見も出ていました。
授業が終わると、「なんて書いたら良いか分からなくて難しかった!」「道徳の授業は楽しかった」「友達を助けてあげられるようになりたい」という感想が聞かれました。ヒーローとは、見かけではなく強い心を持った人だということが分かった子もたくさんいました。一人一人がちがったヒーローになれるといいですね。

