愛西市立佐屋中学校
 

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2026/03/06

第79回 卒業式

| by 佐屋中学校

令和7年度 卒業式 式辞

 厳しい寒さが続いたこの冬のなごりを感じながら、春の訪れを待っていた草花に、命の力強さを感じる季節となりました。
 この善き日に、佐屋中学校を巣立っていく176名の皆さん、「卒業おめでとうございます」
 
 皆さんにお渡しした卒業証書は、義務教育の全課程を修了した証であると同時に、皆さんを様々な面で支えてくださったご家族の方に対する感謝の証でもあります。
 どうか、お家に帰ったら、感謝の気持ちを自分の言葉で伝え、家族の皆さんに卒業証書を渡してください。

 保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
 義務教育の9年間、そのなかには、語り尽くせない多くの喜びと、多くのご心配・ご苦労があったことと思います。今日のこの晴れ姿をご覧になり、感慨もひとしおのことと存じます。これまで3年間にわたり、本校の教育に対して、ご理解ご協力をいただき、お子様の成長のため、ともに力を合わせて進むことができましたことに、厚くお礼申し上げます。
 これから、新しい環境で、また様々な困難に出会い、迷ったりくじけそうになったりすることがあると思います。どうぞこれまで以上に、お子様を温かく見守り、支え、励ましていただきたいと思います。お子様が健やかにたくましく成長されますことをお祈り申し上げます。

 さて、卒業生の皆さん、私が佐屋中学校にきて、最初に迎えた入学生が皆さんでした。入学から卒業までの3年間を見守ることができたのは、私にとって、すごく幸せなことでした。

 この3年間で、皆さんの良いところをたくさん見せてもらいました。
 特に3年生になってからの皆さんは、佐屋中学校の最上級生として、自覚と責任をもった活動をして、立派な成果を上げてくれました。 
 普段の授業はもちろん、行事や部活動・委員会活動で、常にひたむきに頑張る姿、一生懸命な姿を見せてくれました。
 中でも印象的だったのは、学校祭です。前年に復活した文化祭でのブロック合唱を、先輩たちに負けないリーダーシップを発揮し、下級生を導き、素晴らしいものに仕上げてくれました。
 また、今年度から始まったブロックごとのミニ演技では、経験もない中で、最高学年として引っ張り、盛り上げてくれました。振り付け等を全て自分たちで考え、下級生を励まし、指導しながら練習に取り組む皆さんの一生懸命な姿は、本当に素晴らしかったと思います。
 皆さんが見せてくれた自ら率先して行動し、ブロック全体を引っ張り目標に向かう姿勢は、佐屋中学校の良き伝統として、下級生に引き継がれていくと確信しています。

 明るくたくましく成長した皆さんは、この佐屋中学校の大きな喜びであり、誇りです。今、新たな決意をもって上級学校へ進学する皆さんに、最後のお話をさせてください。

 皆さんは、修学旅行で東北地方を訪れ、東日本大震災を通して、防災について多くのことを学んできました。
 現地での皆さんの礼儀正しい振舞、きまりや時間を守り進んで行動できる姿、熱心に聞き入りメモを取る姿などについて、教育委員会の方々や現地でのガイドボランティアの方々はじめ、多くの皆様から称賛の声をいただきました。

 初日に訪れた「遺構・伝承館」で、私は五組のグループと一緒に、語り部の菊田俊勝さんに向洋高校の校舎内外を案内してもらいました。菊田さんはその場所ごとで、震災当時のエピソードを交え、一つ一つ熱心に説明をしてくれていました。
 やがて校舎屋上に着き、菊田さんは話されました。「あそこに見えるのが私の家です。震災で津波にのまれ、妻と両親、そして愛犬を亡くしました」…私は、すごい衝撃を受けました。皆さんに向けて元気に語ってくれているこの語り部の方が、実はそんな目に遭っていたのだと、そこで初めて知ったのです。一緒にいた皆さんはどう思いましたか。そこから私は、菊田さんの言葉を聞き逃すまいと思い、一生懸命耳を傾けました。
 菊田さんは、震災に遭って、守るべき家族を全て亡くし、絶望して、一生分の涙を流したとおっしゃっていました。しばらくして、「残されたのは、自動車と服だけ、あとは全て失った。でも私は生きている。生かされているのだ」と感じたそうです。時間をかけて立ち直っていく中で、「私にできることを何かやらねば」と思い、「語ることで多くの方に学んでもらいたい」、「震災に対する認識が甘く、一生の後悔をした私のようになってもらいたくない」という願いから語り部をはじめられたとのことでした。
 菊田さんは、「愛西市で、どのような自然災害でどのような被害が予想されるのか知り、それなりの準備と心構え、訓練につなげてほしい」、「今後の長い人生、生活拠点が変わる度にハザードマップ等を確認し、安全に考慮して生きていってほしい」といった強い願いを私たちに伝えてくれました。
 菊田さんに限らず、現地の語り部さん、ガイドボランティアの方々は、震災の伝承を通して、皆さん一人ひとりが災害を自分ごととして捉えられるような意識の向上を願いながら懸命に語りかけてくれていました。その思いは皆さんの心に届いたでしょうか。
 今後、上級学校へ進んでも、またやがて社会人になってからも、この修学旅行での貴重な経験・学びを忘れることなく、周囲に広げながら生きていってほしいと願っています。
 菊田さんは、別の体験談の中で、第二の人生のポリシーは『亡くなった家族の分まで生きる』であること。その生き方の一つとして「地元気仙沼で生きる」ことを挙げていました。
 上級学校、その後の就職等で地元を離れ、もっと大きな舞台での活躍を夢見ている人もいることでしょう。でも、皆さんの成長を見守り、育ててくれたこの愛西市のために、いつの日か皆さんの力を少しでも役立ててくれることを期待しています。菊田さんのように「自分にできることは何か」考え、地元に恩返しをしてほしいと思います。
 
 佐屋中学校を巣立つ皆さん、4月からぜひ胸を張り、自信をもって、力強く一歩を踏み出してください。そして、新しい出会いを大切にして、充実した上級学校での生活を送ってください。
 名残は尽きませんが、皆さんの輝ける未来に、幸多からんことを心からお祈りして、式辞といたします。

  令和8年3月6日
  愛西市立佐屋中学校長   吉 次 章 浩            
                                   


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