学力向上プロジェクト委員会を組織して、家庭学習との接続や児童一人一人の学力保障、学力向上の研究を推進しています。
1 家庭学習の意義 家庭学習がなぜ必要なのでしょうか。家庭学習によって、次のような教育的効果が期待できます。
① 学習内容の定着
学校で学習したことを家庭で復習することにより、習熟・定着を図ることができます。特に漢字 や計算などは、毎日繰り返し練習することで定着していきます。学校で「わかった」ことが、反復 練習によって「できる」という自信に変わります。
② 脳の活性化
読み・書き・計算を毎日繰り返すことは、脳の活性化につながると言われています。脳も手足の 筋肉と同じように、毎日繰り返し使うことで活発に働くようになるのです。鍛えれば、鍛えるほど 発達し、たくましくなって、脳がいろいろなことにうまく使えるようになります。小学生のうちか らどしどし脳を鍛えましょう。
③ 学ぶ習慣をつける
毎日家庭学習を続けることにより、自ら進んで学ぶ習慣が身につきます。毎日続けることで、やがて、当たり前の習慣になります。少しずつでも継続することが大きな力につながります。低学年 のうちから毎日欠かさず家庭学習をすることが大切です。
④ がまん強さ・根気・集中力をつける
家庭学習の最大の敵はテレビやゲームなどの誘惑です。この誘惑に打ち勝つことにより、がまん 強さ、根気、集中力を養うことができます。テレビやゲームの時間を決めて学習や読書等の時間を しっかりと確保したいものです。そのためには、テレビを消す、みんなで読書をするといった家族 全員の協力が必要なのは言うまでもありません。
⑤ 家族のふれあい
「本を読んでいる時、横で聞いてあげる」、「勉強が分からない時、教えたり調べたりしてあげる」 など家庭学習をしている子どもに親が関わることによりコミュニケーションがはかれます。家族の ふれあいの機会が増えることは、子どもの精神の安定につながり、心身も頭脳も健やかに育ちます。
[家庭学習モデル:宿題と自主学習] 学年が上がるごとに自主学習の割合を増やしていきましょう。
学年 (時間) | 1 2 3 4 5 6 (10分) (20分) (30分) (40分) (50分) (60分) |
割
合
| ○宿題をしっかりやろう (漢字ドリル・計算ドリル・音読・日記・作文・調べ学習) |
自主学習ノートをもつ・利用する |
○自主学習でこんなことをやってみよう (予習・復習・苦手な学習・テスト勉強・調べ学習・日記・読書) |
本校では、
家庭学習をする習慣というのは、家庭の責任ではなく、学校の責任において育てるもの
と考え、家庭と協力して子供たちの学力向上を図っていこうと考えています。
2 家庭学習のポイント(保護者のみなさまへのお願い)
家庭学習の意義は前述のとおりですが、効果が上がるかどうかは親の姿勢いかんにかかってきます。子どものやる気を引き出すようなはたらきかけをお願いします。
① 決まった時間に毎日こつこつする
学校では、各学年に応じた宿題をほぼ毎日出しています。学校が休みの日でも例外ではありません。家庭学習はとにかく毎日続けることが大切なのです。習い事やお出かけ等で予定が組みにくい 日もあるかと思います。その場合は、先に済ませるとかテレビやゲームはなしにするなどして時間 を生み出すことも必要になってきます。家族で十分話し合い、実行してください。
② 集中して学習する
学力を伸ばすためには、集中して学習に取り組むことが大切です。長時間学習することで成果が上がるとは言えません。短時間で集中して勉強することが長続きのこつです。学年×10分を目安にして集中して頑張ることを心がけてください。
③ 家庭学習をしている時は、テレビを消す
テレビを見ながら、おやつを食べながらの「ながら勉強」は厳禁です。また、テレビの音が聞こえるような環境も子どもは集中できません。見たい番組はビデオに録画するなどして工夫しましょ う。静かに学習できる環境をつくってあげるのは親の役目です。
④ 整とんされた場所で、よい姿勢で学習する
整とんされた机に向かって、よい姿勢で学習するようにしましょう。マンガやゲームなど気が散るようなものが近くにあっては学習に集中できません。親の目が行き届き、本人が安心して落ち着 いて集中して学習できる環境づくりが大切です。
⑤ 子どものがんばりを認め、ほめて励ます
親や教師が、子どものがんばりを認め、ほめたり励ましたりすることにより、自信がつき、進んで学習しようという意欲が高まります。ついつい親は口うるさくなりがちですが、強制したり、間違いをきつく叱ったりすることは逆効果になります。
⑥ 学力アップは規則正しい生活から
「早寝、早起き、朝ご飯」は、生活リズムの大原則です。生活のリズムを整えることが学力向上につながることは、調査でも明らかになってきています。夜遅くまで勉強して睡眠時間が少ない子よりも7時間以上睡眠時間を確保している子の方が成績がよいというデータもあるそうです。
学校でも家庭でも生き生き元気に学習に取り組めるように、早く寝かせ、早く起こし、朝ご飯を しっかり取らせましょう。
就寝時間は、それぞれの家庭の事情があるかもしれませんが、高学年で も7時間以上の睡眠時間はぜひ確保してほしいものです。
[風車モデルをめざそう <教師も親も子どもも> ]
東海大学の小澤治夫教授は下の連関を「風車モデル」と命名し、一つの羽根が回ると他の羽根も一緒に回りだし、くるくると順調に回っていくとした。すなわち、規則正しい生活が学力にもよい影響を与えるという考えです。
朝食をしっかりとると、排便もしっかりあって学校に行く意欲も高まり、遅刻が少なく午前中にしっかり集中できる。そうすると、おなかが減って食事がおいしくなり、体を動かすことが楽しくなって心地よい疲労感があって、寝る前に湯船に入ることでぐっすり眠れて、翌朝、またおなかが減って朝食がおいしくなる。 |
幼稚園・保育園・小中学校との連携、家庭・地域との協力により地域で児童を育てる活動を推進し、夢を持ち社会貢献できる人間の基盤づくりを進めています。